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ポジティブリスト制度に係るQ&A

このQ&Aは農林水産省 農産安全管理課 農薬対策室の素案に基づいて、厚生労働省ホームページに掲載のQ&Aを参考に作成したものです。  
問−1 ポジティブリスト制度とはどんな制度ですか
1 ポジティブリスト制度とは、国内外で使用されている農薬のほとんどすべてについて基準が設定され、基準を超える食品の販売等を禁止する制度です。
2 これまでも、農薬が基準値を超えて残留している食品の販売等が禁止されていましたが、基準が設定されていない農薬は、規制の対象外でした。
3 ポジティブリスト制度の施行後は、これまで残留基準が設定されていなかった農薬について、国際基準等を参考に新たな基準が設定されたり、一律の基準(0.01ppm)が適用となり、これを超える食品等の販売が禁止されます。
問−2 食品に残留する農薬等に関する規制が現行からどのように変わるのですか
1.食品中に残留する農薬、動物用医薬品、飼料添加物(以下、農薬等という)について、これまでは食品衛生法第11条に基づき残留基準を設定し、その安全確保をはかってきたところです。しかしながら、現行の規制では食品衛生法に基づく残留基準が設定されていない農薬等を含む食品については規制が困難な状況にありました。
2.本制度の導入により全ての食品について、残留基準が定まっていない場合には、一定量以上の農薬等を含む場合については販売等を禁止されます。
問−3 ポジティブリスト制度での対象となる物質はなんですか
@農薬(農薬取締法第一条の二 第1項に規定するもの)
A動物用医薬品
B飼料添加物
で、それぞれ代謝物などその物質が化学的に変化して生成した物質を含まれます。
2.しかしながら、これらの物質であっても人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質は本制度の対象外となります。
問−4 残留基準の設定されていない農薬等については使用してはいけないのですか
1・食品衛生法は農薬等の使用を規制するものでなく、残留基準が設定されていないからといって、農薬等が使用できないというものではありません。国内で農薬の使用については農薬取締法で規制されています。
問−5 この制度が施行されると、残留基準が設定されていない農薬を含む食品は輸入できなくなるのですか
1.残留基準が設定されていない農薬等を含む食品については、一律基準(0.01ppm)が適用され、それを超えない量を含む食品であれば輸入は可能です。
問−6 ポジティブリスト制度では800農薬に新たに基準が設定されるとのことですが、新たに基準が設定された農薬は使用できるようになるのですか?
1.農薬取締法により、我が国で登録されている農薬以外は使用が禁止されています。また、登録農薬であっても適用農作物以外への使用は禁止されています。
2.このため、ポジティブリスト制度の施行後も使用可能な農薬はこれまでと変わりません。
問−7 この制度の導入により、農薬の使用方法や使用可能な農薬の種類などが変わりますか
1.本制度は、食品中の農薬等の残留基準に関する制度であり、農薬等の使用の規制に関するものではありません。
2.農薬等の使用に関しては農薬取締法で規制されており、本制度の施行により使用方法や使用可能な農薬の種類が変わるものではありませんが、従来と同様に生産現場での農薬の管理が重要となります。
問−8 ポジティブリスト制になると、使用できる農薬や使い方を変えなければいけないのですか
1.ポジティブリスト制になっても、農薬取締法は変わりません。したがって、これからも、農薬取締法に基づいて、適切な農薬を、適切に使うことが必要です。また、既に、 残留農薬基準が定められている農作物では、これまでの基準がそのまま使われます。
2.このため、生産者の皆さんは、これまでどおり、農薬取締法に基づいて
@ 登録されていること
A 生産中の農作物への使用が認められていることを確認した上で
B 農薬使用基準を守って
適切に使用していただくよう、お願いいたします。
問−9 環境汚染物質は本制度の対象となりますか
1.環境汚染物質は、原則として農薬としての使用が認められない限り、必ずしも規制の対象とはなりません。
(カドミニウム、水銀、ダイオキシン、PCBなどは、別の法律等で規制されます。;編集者 注)
問−10 ポジティブリスト制度の対象となる食品はなんですか
1.本制度は、生鮮食品、加工食品を含めすべての食品が対象となります。
2.清涼飲料水の原水については、食品衛生法上の個別の規格基準で整理されているので本制度の対象にはなりません。
3.食品製造に使用される水は、一般的に水道法等の規制を受けることとなりますので、本制度の対象外です。
4.魚介類から農薬が検出された場合、天然や養殖の別は関係なく、農薬の種類及び量を残留基準に照らして法適合性を判断することになります。
問−11 ミネラルウォーターについての農薬等の残留基準はどのようになっていますか
1.食品衛生法上のミネラルウォターについては、世界保健機関(WHO)が飲料水について設定した農薬等の残留基準を新たな基準として採用されました。
問−12 加工食品についての基準の適用はどのように考えればよいでしょうか。
1.残留基準が設定されている加工食品については、その基準に適合する必要があります。
2.残留基準の設定されていない加工品については、一律基準による規制の対象となるのが原則ですが、加工食品の原材料が食品規格に適合していれば、その加工食品についても残留農薬等の残留値によらずに食品規格に適合しているものとして一律基準の規制対象とならないものとして取扱うことになります。
問−13 農薬等の名称は何に基づく名称ですか
1.食品衛生法の規定にある名称は農薬の名称については、ISO名(国際標準化機構の定める名称)を優先して使用することとしており、農薬取締法における登録名とは異なりますが、標記に誤りがあるわけではありません。
2.食品衛生法では、田畑などで散布する農薬ではなく、食品中に残留する農薬(代謝物を含む)を規制していますので、分析対象が田畑などに使う農薬名と異なることはやむを得ないと考えられています。
3.農薬のなかには違う商品名であっても同じ有効成分を含むものや、ひとつの農薬のなかに複数の有効成分を含むものもあるため、商品名で管理しようとした場合、そのような問題があることを理解してください。
問−14 残留基準が定められている農薬等以外の農薬等が検出された場合、行政当局はどのように判断されますか
1.検出された物質がポジティブリスト制度の対象となる農薬等に該当するか否か、関係法規や社会通念等に照らして判断することとなります。
2.農薬等と判断された場合、原則一律基準が適用されることになります。
問−15 基準が設けられた物質すべての検査が必要ですか
1.残留農薬等のポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を生産者や食品事業者等に義務付けるものではありません。
2.従来からの残留農薬等に対する取り組みと同様、信頼できる事業者と取引をする。
使用される可能性のある農薬等の種類や方法、残留基準違反事例の有無などを確認する。
必要に応じ残留状況について分析する。などの取り組みが原材料の安全性の確保に必要になると思われます。
3.したがって必要な検査体制については個々の事業者により自ずと異なると思われます。
問−16 検査・分析を行えば食品の安全は担保できますか
1.実際に販売に供される食品すべてを検査・分析することは不可能であり、また、対象となる農薬等が不特定多数に上ることから、検査・分析のみをもって「安全」を厳密に証明することはできないと考えられます。
問−17 厚生労働省から各業界に「検査の必要性はない」と通知する予定はありあますか
1. 検査の項目や頻度については、使用された農薬等の残留の可能性に基づき、個々事業者が判断するものと考えます。
問―18 分析用の食品の集め方、前処理などの手順は国や地方自治体で統一されていますか。
1.食品の検査については、国内に流通する食品は都道府県が、輸入時は国の検疫所において、監視指導計画を定め実施しています。
2. また、分析の際の採取については、対象となる食品のロットについて、生産者や出荷日を確認し代表する試料(サンプル)を採取することにより実施します。
問−19 ロットの考え方を教えてください
1.残留農薬等の検査は、対象となる食品のロット(同じ生産者や出荷日などのひとかたまり)について、生産者や出荷日を確認し、代表する試料(サンプル)を採取することにより実施します。

問−20 ポジティブリスト制度の導入で国内や輸入食品の監視はどのようにかわりますか
1.国内に流通する食品については、各都道府県等が食品事業者の施設の設置状況等を勘案して作成した食品衛生指導計画に基づき、検査を実施しています。
2.輸入食品については、国が輸入食品監視指導計画を策定し、計画に基づき監視指導を行っています。
3.ポジティブリスト制導入を踏まえ、輸入時における検査体制を充実させるため、検疫所におけるモニタリング検査(年間計画に基づく検査)の検査項目を拡大することを予定されており、現在、検査項目について検討をおこなっているところです。
4.また、その実施にあたっては、輸出国における農薬や動物用医薬品の使用実態等を踏まえた検査項目の選定や一斉分析法の活用などにより、効果的、効率的な検査の実施が検討されています。
問−21 ドリフトにより使用していないはずの農薬が検出された場合の行政機関の対応について教えて下さい
1.ドリフトによるといえども、基準を超える農薬等が検出された場合は食品衛生法に違反するものとみなされます。
問−22 事業者の自主検査で基準を超える農薬等が確認された場合、どのように対応すればよろしいでしょうか
1.自主検査で基準を超える農薬等が検出された場合は、国又は地方自治体にその情報を提供し、国又は地方自治体が実施する施策、措置に適切に対応するとになります。
問−23 本制度の施行にあたり食品事業者はどのような管理を行うべきなのでしょうか
1.取り扱いの食品について、生産国、地域における農薬等の使用管理及び残留基準の設定状況、わが国への輸入時の違反状況などを収集することが考えられます。
問−24 自主検査を実施する際のポイントは何ですか
1. 検査を行う際は、生鮮食品については、項目の設定とサンプリング条件の設定が関係してくると考えられます。
2. 製品を加工食品として回答すると、加工食品の基準適合性については、原材料の基準適合性により判断することにしているので、原材料の農薬等の残留の可能性を勘案することになります。
問−25 流通業者から、基準が設けられた物質すべての検査を求められた場合はどうすればよいですか。残留農薬基準を超えていないことを証明するためには、基準が決められている約800種類の農薬のすべてを分析しなければならないのですか。
1.農薬取締法に基づいて、国内で食用の農作物に使用が認められている農薬は約350種類、さらに、農作物によって使用できる農薬が限られています。したがって、すべての農薬について分析を行う必要はありません。
2.また、分析する農薬を減らしたとしても、分析だけで農薬残留基準を超えていないことを証明するためには、多額の分析費用がかかり、現実的な方法ではありません。
3.このため、産地では、
@ 使用した農薬の種類、使用状況の記帳や食品安全GAPの取組
A 農薬の使用状況に応じた必要最小限の分析を組み合わせて、産地全体として、生産管理を徹底することが効果的です。
4.検査の結果、基準値を超える農薬等が検出された場合には、試料が採取された食品のロットのみが、食品衛生法に基づく公衆衛生上必要な措置(販売禁止など)の対象となります。
問−26 ポジティブリスト制度によって、特に気をつけなければならないことは何ですか。
1.過去の残留分析の調査結果をみても、わずかですが残留基準を超える例がみられます。ポジティブリスト制の下では、適切な農薬を、適切に使うことが必要です。
2.また、ポジティブリスト制の下では、登録されていない農作物に対しては、0.01ppmという一律に低い基準が用いられるため、農薬散布時の飛散(ドリフト)により、基準を超えることを心配される方が多いようです。
3.ドリフトを防ぐためには、散布時に風の強さや向きに注意したり、散布機の風量を調節することなどによって抑えることが可能です。
3.農林水産省では、ドリフト防止のためのパンフレットやマニュアルの作成・配布などを行っています。これらはホームページ(http://www.maff.go.jp/nouyaku/)でもご覧出来ます。
問−27 産地として適正な農薬散布に取り組んでも、一部の誤った散布により、基準を超える農産物が発見された場合、どうすればよいでしょうか。
1.最近は、残留基準を超えた場合のために、民間の保険制度もあるようですが、基本的には、適正な農薬散布を行った農家の農作物まで、回収や出荷停止をされることがないようにすることが重要です。 
2.そのためには、使用した農薬の種類、使用状況の記帳や食品安全GAPの取組、集出荷時の分別管理などが重要です。
3.このような取組みにより、仮に残留基準を超える農作物が発見された場合であっても、原因の特定が容易となり、必要最小限の農作物の回収、出荷停止ですむことになります。
問−28 周辺の農家と農薬使用の調整をしようと思っても、農家同士の話し合いではうまくまとまりません。
1.飛散防止対策については、隣接する農作物に共通して残留基準がある農薬の使用、隣に収穫直前の農作物が栽培されている場合に特に注意して散布することなどにより、リスクが低減されます。
2.農家間で農薬使用の調整ができない場合は、お近くの普及指導センターに御相談ください。
問−29 前作で使用した農薬が土壌中に残留し、後作物から一律基準を超えて検出されることがあるのではないか。
1.農薬登録の際、土壌中で農薬が半分の量まで減少する期間(半減期)が1年を超えるものは原則として登録されません。
2.さらに、半減期が100日を超える農薬については、果菜類、葉菜類及び根菜類のそれぞれについて後作試験を行い、後作物から残留農薬が検出されないことを確認しています。
3.このため、通常の農薬使用では、前作で使用した農薬が後作物から検出されることはありません。
問−30 キュウリ栽培で過去に使用したドリン剤が検出されることがありますが、ポジティブリスト制度の下では、より厳しい残留基準が適用されるのでしょうか。
1.現在、キュウリに対するドリン系農薬の残留基準値は、エンドリンが不検出、アルドリン及びディルドリンが0.02ppmとなっています。
2.これらの基準はポジティブリスト制度の下でもそのまま維持されるため、現在と何ら変わることはありません。
問―31 1枚の圃場に多品目の野菜を栽培しているため、有効な飛散防止対策がありません。どのようにすればよいのでしょうか
1.1枚のほ場に多品目の野菜を栽培している場合は、飛散防止対策にも限界があります。
2.このため、このような場合には、
@ 粒剤などの飛散しにくい剤型を選択する
A 隣接する作物にも残留基準が設定されている農薬を選択する
B 隣接する作物が収穫間近の場合は、収穫が終了するまで農薬散布を延期する
C 隣接する作物との間に飛散防止ネットを設置する
D 葉菜類と葉菜類の間に根菜類を栽培する
 といった対策の検討をお願いします。
問−32 ポジティブリスト制度の下では、飛散防止対策以外にも散布機の洗浄が重要だと聞きましたが、どの程度慎重に洗浄する必要がありますか
1.散布機の底面や側面にわずかに農薬が残留していたとしても、1度水を満杯にしてすすげば、数千倍から数十万倍程度に希釈されます。
2.このため、3回程度水で満杯にしてすすげば十分です。
問−33 飛散を起こした農家は罰則があるのですか
1.農薬取締法において、飛散については努力規定となっており、罰則はありません。ただし、大量の農薬を飛散させた場合は、周辺農家に迷惑をかけることとなるため、十分注意して散布していただく必要があります。
問−34 実際に飛散を起こしてしまった場合には、どのようにすればよいでしょうか
1.まずはお近くの普及指導センター或いはJA等に相談してください。
2.農薬の種類によって程度は異なりますが、一般に農薬は散布後一定の期間が過ぎると、分解されて残留量が少なくなるため、すべてのケースについて、残留分析や出荷停止といった措置が必要となるわけではありません。
問−35 花卉栽培農家ですが、ポジティブリスト制度とは何か関係がありますか
1.食品衛生法におけるポジティブリスト制度は食品を対象としていますので、花卉などの食品でない農作物は対象とはなりません。
2.しかしながら、散布した農薬が周辺で栽培されている食用農作物に飛散した場合には、周辺作物が食品衛生法違反となるおそれもありますので、注意が必要です。
問−36 農薬のポジティブリスト制度の施行に向けた農林水産省の対応は
1.平成15年5月に改正された食品衛生法に基づき、平成18年5月からポジティブリスト制度が導入されることとなりました。
2.ポジティブリスト制度の下でも、これまで使用が認められている作物については、農薬使用基準を遵守して農薬を使用すれば、問題は生じません。
3.一方、使用が認められていない作物については、一律基準(0.01ppm)が用いられるため、農薬散布時に周辺への飛散(ドリフト)に留意した対応が求められます。
4.このため、農林水産省では、5月の制度導入に向けて、これまでも、全国的な啓発・巡回指導が進められてきました。
5.さらに今後、生産現場へのきめ細かな指導を徹底するため、農林水産省と関係団体で構成する「農薬適正使用指導強化協議会」が設立され
@ 普及指導センターとJA職員等が一体となった現地巡回指導の徹底
A 農家からの相談窓口の設置
 等を積極的に推進することとしています。

このQ&Aは農林水産省 農産安全管理課 農薬対策室の素案に基づいて、厚生労働省ホームページに掲載のQ&Aを参考に作成したものです。  

 

 

 

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