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棚田


過疎化と棚田保全対策

 
見事な景観の福岡県星野村広内・上原の棚田
 
 
収穫期を迎えた大分県玖珠町山浦早水の棚田
 


 

世界の傾斜地農業(その10)  梶原 敏宏(前緑の安全推進協会会長)

「日本の棚田百選」の選定公表と相前後して、多くの地区での棚田のオーナー制度が発足、その保全に大いに貢献している。しかしながら過疎化と高齢化によりボランティアの農作業従事者の確保が深刻な問題となりつつあり、何か新たな対策が必要ということを痛感する。農林水産省は2000年より中山間地域等直接支払制度を発足、01年度には全国63万haを対象に514億円(平均10a当り8100円)が助成されている。また07年度からは農地・水・環境保全向上対策として環境直接支払制度も導入されるようで、将来棚田の景観維持も対象となる可能性もある。このような国による財政的な措置は棚田の保全に有効であるが、十分とは言えない。ともかく、棚田の耕作者が安心して暮らせるための安定した収入が保障されるよう、国の助成やオーナー制度のほかに収入を増やす何らかの手段が必要と思われる。対象者や徴収の方法については専門的な立場からさらに検討を要するが、棚田の景観をを鑑賞するための鑑賞料を徴収する制度もその一助になるのではないだろうか。99年に棚田百選が公表されて以降、写真撮影を目的とした訪問者も多くなっている。
選定された全国134の棚田のすべてを訪れ、その写真を紹介しているホームページもある。また観光バスを利用した撮影ツアーも多く、柵田の畦畔にー列に並んで三脚を立て撮影する写真など頻繁に紹介されている。収穫祭などのイベントに参加する人々も大半はカメラマニアであり、ほとんどの人(私もそのー人だが)がその地区の特産物や土産物を購入することなしに、ただ、柵田を眺め写真を撮影し、農家の人達に迷惑をかけて帰るだけである。すでに地域によっては視察の申し込みを受け、必要な費用を徴収している団体もある。それぞれの棚田によって、どのような形で徴収するか検討の余地はあるが、少なくとも撮影を目的として訪れる人からは、入漁料と同じような感覚で一定料金を何らかの方法で徴収してもいいと思われる。それによって得られた収入が柵田の保全に有効に使用されるなら、私は喜んでその徴収に応じたい。
(農業共済新聞 より)

 

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